俺はとしあき、花の小学2年生。
「母さん！少しは体動かさないとエコノミークラス症候群になるよ！」
今日は天気がよかったので、めどがる母さんを健康の為無理矢理散歩に連れ出した。
が、公園に着くなり母さんはベンチの上に寝転がってしまった。
「母さん、起きてよ！」「･･･めど〜」･･･母さんはベンチが居心地良くなってしまったようだ。
･･･と、ふと見るとベンチの前、俺の隣につなぎを着た男が立っていた。ウホッいい男･･･。
「参ったな、先客がいるのか」「す、すみません･･･母さん！他の人の迷惑だろ？」･･･反応は無い。
「君の母さん、具合悪いのかい？」「いいえ、ただの怠けです」
「ハハ、はっきり言う子だな･･･どら」男は母さんの体をひょいと持ち上げる。
「君の家、どこだい？お袋さん送ってってやろう」･･･お言葉に甘える事にした。
･･･その後、母さんを無事家まで送ってもらったので、俺が何かお礼をしたいと言うと、
男は「そうだな･･･10年経ったらまた来てくれ、君は見所がある」と言い、去って行った。
見所って何のだろう。
まぁ何にしても結局母さんに運動させるのは失敗したわけだ。