俺はとしあき、花の小学2年生｡
駅前のスーパーへ買い物に行ったら覚えのある声が聞こえた。
「こんなちょびっとじゃ味なんて分かんないよ！ケチケチしないでよ！」
お酒の試食（飲かな？）コーナーをアダムの奴が荒らしている。
見つからないように買い物を済ませ、さっさとその場を後にした。
帰りに川沿いの道でちとせさんに会った。またアダムを探してるみたいだ。
駅前のスーパーで見かけたから、今頃はあの周辺のパチンコ屋にいるかも、と教えると、
ちとせさんは「ありがとうございます！」とお礼を言うや一目散に駆けていった。
熱心だなぁ･･･。アダムの奴も所帯を持てば少しは落ち着くかもしれない。
家に帰ると母さんがいない、しばらくすると帰ってきたので文句を言いに行く。
「母さん、また」「･･･今日は打ってない･･･めどい事になりそうだったから･･･やめた」
「そっか、毎回そのめどい事になってくれたら家計に計画性ってものが出来るんだけどな」
「･･････としあき、今日の晩ご飯なに？」
「冬至だからね、南瓜。柚子湯の用意もしてあるからゆっくり浸かりなよ、母さんって血流悪そうだし」
「･･･一緒に入る？」「ば、馬鹿言わないでよ！」