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05/05/21(土)01:01:10 No.25167230
もう駄目だ、と目をつぶった。 しかし、誰かがしっかりと抱き留めてくれた、目を開けばあの人の顔がある。 甲斐性の無い彼にしてはサービスが良いじゃないか。 彼はそのまま私を抱いてベッドへと運んでくれる。 普段は口が裂けても言わない様な甘い甘い言葉を、耳元で囁いてくれる。 そんなに褒めたたえてくれずとも良いのに。 一体どうしてしまったのか。 かつて切望した様な、していない様な状況、嫌ではない。
ベッドに寝かされて、優しく手櫛で髪を梳かれる。 顔に似合ってないよ、と言ったら苦笑された。 そして額におやすみの接吻、些か少女趣味に過ぎるかもしれない。 でも良いものは良いじゃないか、それの何処が悪いのか。 ゆっくりと薄らいでいく意識も自覚せぬままに、回る視界に映る彼を見上げる。 おやすみなさい、という声は届いたかどうか。
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