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05/04/24(日)01:11:08 No.24306967
昼食は公園で食べる事が多い。 これも就職活動の内だ、蜘蛛の糸の様な素麺を啜る、面接は続く。 随分愛想笑いが上手くなったな、と思う。
スパイディのマスクを思い出す、そうすれば顔がほころぶ、気も紛れる。 帰宅まで後四時間。
元々付き合いは良い方じゃなかった、定時になればすぐ家に帰る。 スパイディの居るあの部屋に。
安普請の扉を開ける、スパイディがおかえりなさいと迎える男!と叫んでくれる。 言葉も無く抱き締め、そのまま泣き崩れたくなる。 けど、ただいま、と返した事しかない。 仕事中に溜め込んだものと、一日の疲れを熱めの湯で洗い流す。 蜘蛛男というより、盗賊に糸を垂らしてくれた仏様、と言った方が相応しいか。 聞こえてくる映画のテーマソングに、少しだけ胸が痛む。
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