二次元裏@ふたば

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画像ファイル名:1114098241805.jpg-(87838 B)サムネ表示.
05/04/22(金)00:44:01 No.24244179 01:47頃消えます
朝、トントンとリズミカルな包丁の音で目が醒める。
すぐには起き上がらず、首を右に向けると、いつもどおり
蜘蛛男が朝食を用意している。
包丁の音にあわせて揺れる頭部、というかマスクをじっくりと眺める。
いつ見ても、とても良いマスクだ、つい剥ぎ取って被りたくなってしまう。
実際に出来た試しは無い。
一度目を閉じ、首の向きを元に戻してからわざとらしく欠伸をする。
それにスパイディが気付く、それがここ数年の私と蜘蛛男の朝の光景だ。
朝食が出来上がるまで、シャワーを浴びる。
目覚ましにシャワーを浴びる、と言うのは建前であって、
実際は怪人蜘蛛男に襲われる悪夢に、寝汗をかいてしまったからだ。
この暮らしが始まってからすっかり睡眠不足になってしまった。
05/04/22(金)00:44:27 No.24244189
シャワーから出ると、スパイディが濡れた頭に糸を噴いてくる。
目の前を飛び交う無数の糸、思わずやめろと怒ってしまう。
その粘着力をまだ知らない者は幸いだ。
スパイディの作るお漬け物は美味い、いつもそう思う。
他の料理も下手では無いのだが、漬け物だけ特別に上手だ。
朝食を平らげ、鏡の前に陣取る。
ハロワに行くから身嗜みの時間が長い、と言うのは建前であって、
実際は鏡越しに蜘蛛男がこちらを気にしているかどうか確認する為だ。
本当に溜息ばかりが達者になってしまった。

そして家を出る。
いってらっしゃいと言ってくれる艶のあるマスク、息も続かぬ様に塞いでしまいたくなる。
ファーストキスが蜘蛛… どれ味もみておこう… 。 やっぱり自分はダメ人間だ。
ハロワになんか行きたく無くなるが、そうも言っていられない。

少しでも長く、スパイディと、スパイディの居る生活を続ける為に。