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05/04/22(金)00:44:27 No.24244189
シャワーから出ると、スパイディが濡れた頭に糸を噴いてくる。
目の前を飛び交う無数の糸、思わずやめろと怒ってしまう。
その粘着力をまだ知らない者は幸いだ。
スパイディの作るお漬け物は美味い、いつもそう思う。
他の料理も下手では無いのだが、漬け物だけ特別に上手だ。
朝食を平らげ、鏡の前に陣取る。
ハロワに行くから身嗜みの時間が長い、と言うのは建前であって、
実際は鏡越しに蜘蛛男がこちらを気にしているかどうか確認する為だ。
本当に溜息ばかりが達者になってしまった。
そして家を出る。
いってらっしゃいと言ってくれる艶のあるマスク、息も続かぬ様に塞いでしまいたくなる。
ファーストキスが蜘蛛… どれ味もみておこう… 。 やっぱり自分はダメ人間だ。
ハロワになんか行きたく無くなるが、そうも言っていられない。
少しでも長く、スパイディと、スパイディの居る生活を続ける為に。 |