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05/06/06(月)00:00:45 No.25621358
仕事に行く彼を送り出す、流石にお出かけのキスは出来ない。 いつかやってやろうかと、そう思ってはいるのだけれど。 あの人が曲がり角の前でこちらを振り向く。 手を振ってくれたりはしないが、確かな視線を感じるだけで充分だ。 そして部屋に戻り、残りの家事を片付ける。 彼の帰りを待つ時間は、以前の様に退屈ではなくなった。 ただ待っているだけ、というのを止めた、今は編物に手を出している。
こちらを見送る2kの視線に応えてから、前を見据える。 これから仕事だ、半日は2kに会えなくなる。 しかし、以前の様に仕事の間会えない事に耐え切れなくなる事はなくなった。 仕事を終えたら彼女が家で待ってくれている、そう思える様になった。 一分一秒でも長く、同じ空間にいる事が大事ではないのだと理解出来た。 例え顔をあわせるのが一日数分の間だったとしても、通じ合っていれば恐いものなんて無いのだ。 おぼろげながら、そう思えるから、今はもう無理に我慢をする事も無い。
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