なんだ、そんな事かスパイディ。
隣にかけてある服からスパイディに似合いそうな物を数着抜き出す。
うほ、もういい男！、これだけでもう充分な男！　スパイダーマン！　と言われようが気にしない。
そうこうしているうちに、蜘蛛の糸に巻きつけられてきた販売員も交えて、あれよあれよと買う事になった。
なんとも自分のセンスの無さを思い知る結果になってしまったのだが、それは虹裏でスレを立てるとして。

確かに服は高かった、ボーナスが無ければ今月は苦しかったかも知れない。
しかし、スパイディが喜んでくれたのならばそれで良かった。
なんだかんだ言って結構嬉しそうなのはマスクのせいではないと思いたい。

店員にお友達ですか、仲がよろしくて羨ましいですね、と言われた。
確かにスパイダーマンだし、好意的に解釈するとそう見て貰えるのだろう。
えぇ、まぁ等とお茶を濁してしまう辺り、我ながら情けないのだが。
しかし、それならばこの関係をどう表せば良いのか。
「」と蜘蛛男が一つ屋根の下に同棲しているし、少なくとも家主は居候の事を悪くは思っていない。

だからと言って友人というにはくっつき過ぎてもおらず、家主とその居候という程距離がある訳でもない。
故に、良くも悪くも同居人と表すのが丁度良いのではないか。ホームズとワトソンに落ち着いてしまう。
それとも、日頃からスパイディの素顔が気になる自分にはそんな事を言う資格も無いだろうか。
それを思い出して滅入った、同居人は素顔を見せてくれるだろう、普通。
一層の我慢をせねばなるまい。
もう二度とあんな事が無いように。

スパイディの荷物を両手に持って四苦八苦、なんて事は一生縁が無いと思っていた。
少しだけ踏み出せば意外と近くに蜘蛛男はいるのかも知れない。
ともかく、そろそろ家に帰るとしよう。
昨晩あまり寝ていないせいか、少し眠かった。
帰宅する職安帰りの虹裏住民でごった返す前に電車に乗りたい。
気が付けば、肩の痛みも絡みついた糸もすっかり忘れていた。

2kスレの後にはこれがないともの足りんなな男！
ｽﾊﾟｲﾃﾞｨ乙！

×なんとも自分のセンスの無さを思い知る結果になってしまったのだが、
○なんとも自分のイノセンスの不適合を思い知る結果となってしまったのだが、

>一つ屋根の下に同棲しているし
ちょちょっと待て

スパイディと同居してる「」は無職なんじゃなかったっけ？

>ホームズとワトソン
うほっ、友人よりよっぽど近い男！スパイダーマン！

>スパイディと同居してる「」は無職なんじゃなかったっけ？
バイトのボーナスという事で。流石に仕送りは…