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05/07/02(土)02:00:31 No.26447841
違った。 彼女は最期を覚悟して笑ったんじゃない。 右足を踏み込む。地面がその衝撃に音を立てて爆ぜた。 だがそれすら準備動作。 彼女は腰だめに溜めていた右手を爆発的な速度で車体に叩き込む。 恐ろしい速度で迫っていたはずの車は一瞬で宙に浮く。 続いて右足が車体の横に叩き込まれる。 派手な音を立てて通行人を巻き込みつつ四回転し、 その車はようやくといった感じに止まった。
彼女は、僕を見てもう一度笑った。 ――ああ、やはり僕は、彼女が好きなのだろう。
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